死りとりゲーム
「田辺、おはよう」
呼びかけられて振り返ると、新田くんが登校してきた__めぐみと一緒に。
その後ろからは、賢太もやってくる。
「おはよう」
私は、新田くんと賢太、どちらに向けて言ったか分からない曖昧な挨拶を返した。
「ねぇ、帰り映画に行こうよ」
「ちゃんと勉強したらな」
「慎也、カテキョしてよね」
そう言って、めぐみが新田くんの腕にしがみつく。
間違いなく、私に当てつけてる__?
その向こうで意味ありげにほくそ笑んでいる賢太にも無性に腹が立ち、前に向き直った。
「響子、帰りカラオケ行かない?」
「ごめん、ちょっと用あるから」
「昨日も帰ったよね?彼氏でもできたとかー?」
「そんなんじゃ、ないから」
素っ気なく答える響子の腕を「白状しちゃいな」と、私はふざけて掴む。
すると、一瞬で響子の体が強張った。
「__響子?」
「史恵、ごめん」
なぜか私に謝る。
今にも泣きそうな顔をして「ごめん」と__。
「なんで謝るの?ゲームも無事に退会できたんだし、謝らな__くっ_えっ、どうして?」
突然、地面がぐらついた。
この感覚は?よく知っている。
だって何度も味わったじゃないか、ゲームが始まる前に__。
後ろを振り返ると、新田くんも賢太も、目を見開いて驚愕していた。
「響子、どうして__?」