死りとりゲーム
スマホを確認すると、保有ポイントは【0】だった。
昨日、ゲームをクリアした時点で【15000ポイント】あったのに、響子が退会で全て使用したんだ。
「おそらく、退会は1人しかできなかった」
新田くんの言葉が、どうしても信じられない。
「だから、響子は自分だけ退会したっていうの?そんなこと__」
「実際、居ないじゃないか!自分だけ助かったんだよ!あいつは、俺たちを見捨てたんだ!」
激昂する賢太は、抜け駆けした響子が許せないらしい。
もちろん、私だって許せないし、悲しい。
なんの相談もなく、自分だけ退会するなんて。
でも、もし私が響子の立場なら、もし1人だけしか退会できないなら__同じことをしていたような気がする。
『ごめん』と謝った響子も、苦しんでいたんじゃないか?
「仕切り直そう。とりあえず、退会ができることが分かった。1人ずつだけど、頑張れば全員、このゲームから解放されるはずだ」
「新田くん__」
「とにかく、やるしかない」
「うん」と私は頷いた。
先は長いけど、諦めたらそこで終わりだ。
『それでは死りとりゲームを始めましょう!』