死りとりゲーム
どちらともなく教壇を出たのは、賢太からメッセージが届いたからだ。
やりとりこそなかったけど、みんなでグループラインを作っていた。
【しりとりーず】なんて賑やかなグループ名をつけたのは、響子だ。
『今、どこにいる?』
この世界でも、送信はできるのだろう。
『2年2組の教室』
打つとすぐに既読がついた。
『そっちに行く』と返ってきた、反対する時間もないままに__。
「みんなで協力して、死り神を殺すしかない」
「でも__」
「そうしないと、元の世界に戻れない。もしそれで誰かが死ぬんだとしても、やるしかない」
その決意は、とても強くて揺るぎがないもの。
元の世界に戻るのは、自分のため?私のため?
それとも、めぐみが待っているから?
しばらくすると、そーっと教室の扉が引かれた。
「ずっと隠れてたけど、それじゃ解決にならないと思ってさ」
「ここはみんなで協力しよう」
「わかった」
賢太もさすがに協力的だ。
死り神をおびき寄せて、後ろから仕留めることになった。
あくまでターゲットは賢太だ。
「僕がおびき寄せる」
意外にも男らしく宣言する。
「じゃ、俺が仕留める。田辺は隠れててくれ」
「えっ、私もなにか__」
「足手まといになる」
はっきり新田くんに言われ、逆に清々しいかも。
素直に頷いた。