死りとりゲーム
『それでは死りとりゲームを始めましょう!』
いつもの教室に、いつものメンバー。
でもこの中に、めぐみは居ない。
図書館では肩を寄せ合っていた恋人同士だけど、ここはゲームの参加者しか入り込むことができない世界。
ここでは、新田くんが私を守ってくれる。
この中だけは__。
「田辺、昨日みたいな調子で頼む」
ほら、新田くんは私に1番に声を掛けてくれる。
同じ目標に向かって、足踏みを揃えるんだ。
「うん、任せて!」
私は元気に頷いた。
「賢太も、いいパスくれよ」
「ん?ああ」
無愛想に返事をする賢太とも、協力し合わないといけない。
チームワークを高めるために、新田くんはあえて明るく振る舞っているように見える。
少しでも力になれるよう、スムーズにクリアしたい。
しりとりは、勢いだ。
最初が難なくクリアできれば、リズムよく最後まで橋渡しできる。
そのためにも、最初にくる文字が重要だ。
私もそれなりに考えてある。
【げ】からくれば『下駄箱』や『原稿用紙』。
【ぺ】なら『ペンケース』、【ぼ】なら剣道の『防具』に『帽子』も探せばどこかにあるだろう。
ここ何回は、濁点じゃないラッキーな言葉で始まっている。
今回も探しやすい言葉で始まるように__?