死りとりゲーム


く、来る⁉︎


死り神が来る!


響子が死んだあと、一体だれが死り神に?


私の知っている人なの?


そしてその人を、私は殴り殺すことができるの?


怖いくらいの静寂の中、すーっと冷たい風が入り込んできた。


ドアが開いたの?


真っ直ぐ、ドアから入ってきたの?


床に突っぷす私は、なんとか目を凝らすけど何も見えない。


なにも聞こえない。


ただ、新田くんの息遣いだけは感じることができる。


だから大丈夫だ。


きっと大丈夫。


やがて明かりがついた。


そーっと、技術台から顔を出す。


誰もいない。


今にも飛び出さんばかりの新田くんと、屈んでいる賢太が居るだけで、死り神の姿はどこにもない。


そのまま、時が止まったような時間が流れる。


もしかしたら、死り神そのものが居なくなったの?


鎌が飛んでくる気配もない。


「__新田、くん?」


小さい声で囁くと、私は廊下側で身を潜めている新田くんの元に向かおうと、ゆっくり立ち上がる。


警戒を解かず、それでも少し微笑んでくれた新田くんの顔が__。


青ざめる。


「田辺、後ろ!」


「えっ__?」


「後ろにいる!」





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