死りとりゲーム
さっき吹いた風は、窓を開けたからなんだ!
金縛りにあったように動けない私に向かって、死り神が鎌を振り上げる。
この至近距離だ。
鎌の刃が刺さるのが、嫌でも分かった__。
「田辺っ!」
新田くんの怒鳴り声に、縛りつけていたものが取れる。
すとん。
私は、無意識に腰を抜かした。
立っていられなかったんだ。
さっきまで私が立っていたところを、鎌がすり抜けていく。
壁に深々と刺さった鎌。
それを見た新田くんが駆け出してくる。
今なら死り神は、なにも武器を持っていない丸腰だと判断したんだ。
「__に、新田くん」
「田辺!」
「だめ。来ちゃ、だめ」
だって、だって死り神は__。
持っていたもう1つの鎌を、新田くんに向けて投げつけた。
二刀流だったんだ。
「新田くん!」
鎌が、新田くんの肩をかすめる。
「あぁああ!」とその場に崩れ落ちた新田くんの元に、私は駆け寄ることができなかった。
窓から飛び込んできた死り神が、覆い被さってきたからだ。
私の首に手をかけると、凄い力で締め上げてくる。
武器なんて必要ないんだ。
人間離れした力があれば、首の骨を折ることなんて容易い。
「た、たす__け、て」