死りとりゲーム


両手を伸ばし、お面に手をかける。


死り神として操られていた響子は、お面を取った瞬間に自分を取り戻した。


これさえ取ってしまえばいい。


こんなものさえ無ければ__。


再び、首を絞める力が舞い戻ってきた。


ぐりぐりと喉仏に指を押し込まれながら、私はお面を引っ剥がしたんだ。


かたんっ、と音を立ててお面が飛んでいく。


それと同時に、首を押さえつけていた力が完全に緩んだ。


「ごほっ!」


首に触れている死り神の手を払いのけると、体を丸めて激しく咳き込む。


咳をするたびに、体中がひりつくように痛んだ。


酸素を求めて喘ぎ、だから私は気づかなかった。


「__なんだよ、これ」


そんな情けない声がしたことに。


それは、聞いたことがない声だった。ううん、どっかで聞いたような__?


「た、田辺!大丈夫か⁉︎」


どうやら新田くんも無事のようだ。


「だ、大丈夫」と答えられるようになるまで、だいぶ時間がかかった。


やっと体を起こし、死り神と真っ正面から向き合う。


お面が取れた、死り神と__。


「俺はいったい、ここは?なぁ、これはなんだよ?」


「__なんで?」


私は呟いた。


どうして?


どうして__?





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