死りとりゲーム


小出刀賀は、私たちクラスをまとめている中心人物だった。


人一倍、責任感が強くて、立て続けに起きた事件にも
心を痛めていて、私にも何度か『大丈夫か?』とフォローをしてくれて。


そんなクラス委員が、どうして死り神に?


どうして選ばれたの?


「たな、べ?」


お面が取れた刀賀は、苦しんで咳き込む私を見て、自分の姿を見下ろし、そして最後に、小刻みに震える手を見つめている。


信じられないという顔をして。


「お、俺は一体?首__絞めたのか?俺が?」


手に首の感触が残っているのだろう、刀賀はイヤイヤをするように首を振った。


「違うの。それは、あのっ!」


また咳き込んでしまい、言葉が続かない。


でも、どれだけ言葉を重ねても説明がつかないんだ。


死り神に選ばれて、ゲームに失格していた私を殺そうとしていたなんて、信じられないだろう。


「お前は、操られてたんだよ。この鎌で田辺を殺そうとした」


そう言って寄ってきたのは賢太で、足元のお面を手に取った。


「このお面にね」


「ちょっと、なに言ってんの⁉︎」


「だって、本当のことだろう?」


お面を裏返したりして調べていたと思ったら__。


すっ。


賢太がお面を、自分の顔に被せる。


えっ⁉︎


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