死りとりゲーム
「もしかして、2人だけの秘密だとでも思った?」
すーっと目を細めためぐみの雰囲気が、がらりと変わった。
めぐみとはグループが違うだけで、あまり関わりはない。
凛とした強さの中にも気さくさがあって、悔しいけど悪い性格じゃない。どちらかというと、さっぱりしているように思っていたのに__。
めぐみの女子の部分が、ぬらぬらとまとわりついているように見えた。
「1つだけいい?」
尋ねているのに、答えを求めていない、そんな問いかけ。
もう完全にめぐみのペースにのまれていた。
なにか決定的なことを言われそうで、耳を塞ぎたいけど、それより先にめぐみの口が動く。
「慎也と釣り合ってるとでも、思った?」
ふっと鼻で笑うめぐみに、体がかっと熱くなる。
怒りじゃなくて、恥ずかしさ。
一瞬でも、新田くんと分かり合えていると思った自分に対する、いら立ち。
ゲームのことは、私と新田くんだけの秘密のはずだった。
めぐみは決して踏み込めない領域。
たとえそれが危険でも、殺されそうになっても、新田くんさえ居てくれれば、私は満たされていたのに__。
「勘違いは、顔だけにしてね」
めぐみの首からは、ネックレスが揺れている。
新田くんとお揃いのネックレス。
切っても切れない絆が、確かにそこにあった。