死りとりゲーム
『死り神がどうして選ばれるか、分かったかも』
私は、新田くんと賢太にメッセージを送った。
すぐに【学校】で会うことになったのは、改めて学校内を下調べしようという新田くんの提案だ。
新田くん、ショックを受けているはずなのに__。
「田辺、待ったか?」
「ううん」
返事をすることしかできない。
下手な励ましも、白々しい気がした。
「なんだか、懐かしいな?」
校門から校舎を眺める新田くんは、いつもと変わりがないように見える。
好きなひとを、自分の手で刺し殺したのに?
そしてそう誘(いざな)ったのは、この私だ。
なんてひどいことをしたんだろうという自己嫌悪と、ゲームだけじゃなく現実世界でも新田くんと触れ合うことができる喜び。
「新田くん、あのっ、大丈夫?」
「うん。大丈夫じゃ、ない」
「そう、だよね」
それ以上、なにも言えなかった。
「でも、俺はゲームをクリアする」
「えっ?」
「このゲームに巻き込まれて犠牲になっためぐみのためにも、絶対にゲームをクリアしてみせる。それが、めぐみに対してできる、俺なりの供養だと思うから」
力強く口にする新田くんからは、揺るぎない思いが伝わってきた。