死りとりゲーム
だから、どんな情報でも欲しいという新田くんに、死り神が選ばれる法則を説明する。
「たぶん、死り神も名前でしりとりをしているんだと思う」
「そうか、それなら説明がつくな」
「だから、もう少し私が早く気づいていたら」
そんな嘘に、胸がずきんと痛んだ。
「田辺のせいじゃない。たとえ早く気づいたとしても、どちらかが犠牲にならないとゲームは終わらなかったはずだ」
「でも__」
「誰が悪いわけじゃない。この死りとりゲームそのものが【悪】なんだ。だから俺は、必ず終わらせる」
「私も、終わらせたい」
だってゲームが終わっても、新田くんを手放す必要がないから。
それなら、とっととこんな危険なゲームは終わらせるのが得策だ。
2人の思いが1つになったのを感じる。
もう、私を邪魔するものは__。
「なんだか、仲が良さそうだな?」
賢太がやってくるなり、嫌らしい笑みを浮かべる。
そうだ、こいつがいた。
ゲームをクリアするには、なにかと厄介なやつが。
「僕も仲間に入れてくれよ、同じ参加者なんだから」
粘りっけのある言い方だ。
そうこうしている間に、地面が揺らぐ。
また、ゲームが始まろうとしていた。