死りとりゲーム


『それでは【こ】から死りとりをゲーム始めましょう!』


「こ?」


私はすぐに教室を飛び出した。


【こ】は2回目だ。


確か賢太も【こ】があったから、実質3回目。


それだけ出てくるということは、それだけ物の数も多いということ。


2階の職員室で、冷蔵庫を開けた。


前の時は『コーヒー』と『ココア』が並んでいて、ココアにしたんだ。


だから「コーヒー?」があるはずだったけど、そこにはココアしかない。


誰かが飲んだのか。


それなら仕方がないと【調理実習室】に駆け上がる。


確か「米が__?」ない。


米も無くなっている。


誰かが隠したんじゃなく、現実世界で使われてしまったんだ。


「こ?コイン?黒板?」


なぜか【ん】のつくものばかり思いついてしまう。


「まだ時間はある。焦るな」


新田くんの言葉に頷く。


なんとしてでも、見つけないと。


また、死り神を殺すことになってしまう。


【我聞めぐみ】の【み】から始まる名前のクラスメイトに違いない。


できれば殺すことだけはしたくない__。


「あっ!」


私は隣の【情報処理室】に向かった。


最近は、中学生もパソコンを扱った授業をする。


1台のパソコンに近づき「コンピューター!」と声を張り上げた。


『クリアです』


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