死りとりゲーム
次は【た】だ。
これもその気になれば、すぐ見つかるだろう。
問題は、賢太にその気__つまり、ゲームをスムーズにクリアする気があるかどうか。
ゆっくりと廊下に出た賢太は、そのまま歩いていく。
急いでいる様子はまったくない。
もう【た】から始まるものを見つけているのか、それとも__?
私たちは、教室に戻ってきた。
もったいつけるように、賢太は教室内を歩いて回る。
時おり、机の中を調べたりしながら。
「また何か企んでいるなら、それでもいい。俺と田辺はゲームをクリアするだけだ。お前には一切、協力しない」
新田くんが、改めて釘をさす。
すると賢太が立ち止まって口を開いた。
「ゲームをクリアするって?」と。
「そうだ、この死りとりゲームそのものをクリアしてみせる」
「どうやって?」
「1つずつクリアを重ねていけば、1人ずつでも退会はできる」
「それって、あとどれくらいかかる?それに、同じ言葉も出始めていて、回数を重ねれば重ねるほどクリアが難しくなってくけど?」
賢太の言うことにも、一理ある。
事実、私の【こ】も賢太の【た】もこれまでに出てきた。
どんどん言葉が絞られていく。
ゲームは、困難になっていくんだ。