死りとりゲーム
次の日、賢太からメッセージが届いた。
『退会したのか?』という、短いもの。
目ざといヤツだから、ポイントがなくなっていることに気づいたのだろう。
もう会うこともないから、放っておいてもよかったけど__。
「どういうことか説明しろよ」
誰もいない学校にやってきた賢太は、来るなり詰め寄ってきた。
「退会しただけよ」
「なに勝手なことしてんだよ!」
「言ってる意味が分からないんだけど?」
「あれは僕のポイントでもあるんだ!もっと正確に言えば、僕のおかげで貯まったポイントなんだ!」
「あんたがみんなを殺したおかげでね」と言うのをぐっと堪えた。
私が押し黙ると、ツバを撒き散らして怒っている。
どれだけ怒っても、もう退会を取り消すことはできない。
「でも、最後の1人になるんだから、クリアできるんじゃないの?」
「えっ?」
「自分で言ってたじゃない。死りとりを成功させるか死り神を殺すか、最後の1人になるか」
私が説明すると、賢太の尖っていた肩が元に戻った。
どうやら忘れていたらしい。
退会するということは、参加者は最後の1人となる。
1人じゃ死りとりはできないから、ゲームそのものが終わるんだ。