死りとりゲーム


最後のゲーム。


そして、最後の言葉。


それさえクリアできれば、死りとりゲームそのものから解放される。


次の順番を考える必要もない。


出された言葉から始まる物を見つければいいだけ。


その発表を前に、体に少し緊張が走る。


もしまた【る】だったら?


それで1度、死りとりに失敗しているのに、なにも考えていなかった__。


『それでは、最後の言葉は【は】です。制限時間内に【は】から始まる物を探せば、見事ゲームはクリアとなります!それでは、よーいスタート!』


元気のいい掛け声とともに、最後のゲームが始まった。


最後の言葉は【は】だ。


簡単なもので良かった。


今さらながら、ホッと胸を撫で下ろす。


【は】ならすぐに思いつく。


私は、自分の席に座ったまま、教室内を見回した。


始めは全部で6人いたゲームも、今は私だけ。


みんな、死んでしまったんだ。


このゲームの世界だけじゃなく、現実世界でももう机を並べて授業を受けることはできない。


たくさんの犠牲者が出て、クラスそのものが崩壊してしまったから。


それは誰のせい?


『ゲームがすべて悪いんだ』


新田くんの言葉を思い出し、私は立ち上がる。


そしてゆっくり、教室を出た。


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