死りとりゲーム
「どう、して__?」
言葉と一緒に、真っ赤な血を吐き出す。
一体、どうして自分がここにいるのか?
退会したはずなのに、なぜ死り神としてゲームに参加しているのか?
まったくワケがわからないといった様子だ。
でも私はただ黙って、苦しむ賢太を見つめていた。
理由を教えてやる必要もない。
少し考えれば分かること。
ポイントが貯まった時点で、ゲームから退会できるのは変わらない。どちらか1人だけしか抜けられないことも。
私はすぐに自分が退会しようとしたけど__。
ふと、響子のことを思い出した。
響子は誰よりも早く退会したのに、その後すぐ死り神となった。
死り神は、名前のしりとりで選ばれる。
最後の死り神は【三田紗里奈】だった。つまり、次の死り神は【な】から始まる名前の持ち主。
クラスの中で【な】から始まるのは【名倉賢太】しかいない。
必然的に、次は賢太が死り神に選ばれるんだ。
ゲームに残った私は、死りとりをクリアすればいいだけだった。
【は】から始まる物で、ゲームそのものが終わるはずだったけど__私には死り神に会う必要があったんだ。
だからわざと【はへん】で失敗した。
賢太を、殺すために。
それが唯一の、復讐する方法だから。