死りとりゲーム
「えっ⁉︎」
「どうしたの?知ってるの?しりとりゲーム」
クラス委員の子が、首を傾げて問いかけてくる。
あとの4人も、私のことを見上げていて__。
「大丈夫?顔色が悪いけど」
「だめ」
「えっ?」
「だめだって!」
そう怒鳴ると、私は机の上のスマホをまとめてなぎ払った。
「ちょっと、何するの⁉︎」
「やっちゃだめ!死りとりゲームは、みんな死んでしまう!死り神に殺されちゃうから!」
「田辺さん、怖いよ?」
これまで優しかったクラス委員が、私を睨んでいた。
その目には、気にかけてやったのにといういら立ちが浮かんでいる。
ふと見ると、全員が白けた顔で私を見ていた。
でも、でも死りとりゲームだけは、やっちゃいけない!
「もういいから、向こう行って」
クラス委員に手で払われ、これで完全に私はクラスで孤立するだろう。
それでも、ゲームに参加させられるよりはマシだ。
ぼんやりと席に戻ると、きゃあきゃあと明るい声が聞こえてくる。
どうやら、本当にアプリを登録してしまったようだ。
こうなったら、私は知らない。
何も知らない。
巻き込まれないようにするだけだ。
巻き込まれないように__?