死りとりゲーム
【死りとりゲーム】のアプリさえ登録しなければ、ゲームに参加することはない。
でもそれは、あくまで参加者としての話。
先生はアプリを登録していなかった。
めぐみだって、参加するつもりなんかなかったはず。
無理やり、参加させられたんだ。
死り神として__。
しりとりの始めの文字は【り】で、それは死り神の始めの文字でもある。
だから死り神は同じクラスメイトの中の【り】から始まる。
それならいい。
私は【た】だ。
でももし、クラスに【り】から始まる名前のクラスメイトが居なかったら?
そもそも【り】から始まる苗字なんて滅多に居ない。
「あのっ、このクラスで【り】から始まるひとっている?」
恥を忍んで、クラス委員に尋ねた。
迷惑そうな顔をしていたけど「いないよ」と教えてくれた。
「そ、それじゃ【た】から始まるひとは?」
「ちょっと、なにわけのわからないこと__」
「大切なことなの!」
とても大切なこと。
もし、前のゲームから引き継いでいたら?
【名倉賢太】が最後の死り神で、次の死り神は【た】から始まるんじゃ__?
「私以外に【た】から始まるクラスメイトはいる?」
私の剣幕に押されたのか、クラス委員が考え込む。
「確か、田辺さんしか居ないはずだけど?」
そう言った。
まさか、次は私が死り神に?
そんなことって__?