死りとりゲーム
『それでは、しりとりゲームを始めましょう!』
3回目のしりとりゲームが始まった。
今回も入念に準備をしている。
前回、最後は『米』で終わったから【め】で始まるはずだ。
私たちは昨日の放課後も集まって、1番手の響子からラストの新田くんまで、事前にしりとりを行なっている。
完璧に、シミュレーションしていた。
『それでは【め】から始まるものでスタートです!』
アナウンスと同時に「ふふっ」と笑みを浮かべて前に踊りでる、響子。
その姿はいつもとは違っていた。
「どう?賢そうに見えない?」
そう言って、かけている眼鏡を指で押し上げる。
「豚に真珠だな」と吐き捨てた悠馬に食ってかかってから、響子は「眼鏡!」と言った。
『クリアです』
次は私の番だ。
【ね】で始まるもの__昨日は色々と考えた。
『粘土』や『ネクタイ』とか。
でもそれは買ったり借りたり準備しないといけない。
そこで思いついたのが「猫!」と、小さな猫のキーホルダーだ。
1回目のゴリラがオッケーだったから、これも__?
『クリアです』
ああ、良かった。
ホッと安心し、次の賢太を見る。
【こ】で始まるもの、賢太が用意したのは『コマ』だった。