死りとりゲーム
まずは、全員のスマホに【しりとりゲーム】のアプリを取り込む。
それぞれが名前などを登録して、完了だ。
「あとは1日1回、しりとりをするだけ。簡単でしょ?」
響子の説明を聞きながら、ルールに目を通す。
そんな簡単なことで、ポイントが貰えるのかと思ったら__しりとりの条件は学校内にあるものだ。
なんでもいいなら、しりとりなんて無限にできる。
相手を蹴落とそうと思わない限りは。
たとえば必ず【る】で終わらせるとかすれば、次の参加者は【る】で始まる言葉ばかりを探さないといけない。
次へ打ちやすい球を上げるのが、続くコツか。
つまり、探しやすい文字で終わればいい。
「ん、がついたら失格なんでしょ?そしたらゲームに参加できないってこと?」
同じくルールを読んでいた明香が言った。
そういえば、それらしきことは書かれていない。
「失敗すれば、このゲーム自体が終わるかもね」
「まぁ、失敗しても大したことじゃないよね?」
私の問いかけに、みんなが軽く頷く。
私としては、少しでも長く新田くんと関わり合いたいけど__。
「慎也、おはよう」
爽やかな声は、我聞めぐみ(がもん)だった。
唯一、新田くんを下の名前で呼ぶ女。
めぐみは、新田くんの彼女だ。