死りとりゲーム
すぐに新田くんが、私たちの輪から離れていく。
目鼻立ちがキリッとしていて、韓流スターのような新田くんと、誰よりも容姿が端麗なめぐみは、私の目から見てもお似合いのカップルだ。
こんなに私が、新田くんのことが好きなのに__。
「なにやってたの。しりとりゲーム?私もやりたい」
めぐみが迫っているけど、もう参加者は集まった。
ゲームに参加しているときだけは、新田くんに近づけるかも。
だから少しでもゲームが続いてほしい。
まだ何も始まってすらいないのに、そう心から願っていた__。
「なんも起きねーけど?」
棚橋くんが詰め寄ってきたのは、もうお昼休みも終わりの頃だ。
始まる前には、スマホのアラームが鳴ることになっている。
あと2つで授業が終わる。
その間に鳴らないと、放課後も学校に残らなければいけない。
そもそも、授業中に鳴ってもどうしようもない。
「放課後やるんなら、私はおりるから」
明香がはっきりと言った。
なにも答えられない響子に、どこか尻すぼみみたいな雰囲気になって。せっかく新田くんとお近づきになるチャンスだったのに__と、私も諦めかけていた。
でもそれは、社会科の授業のとき。
スマホが震えたんだ。
こっそりと取り出すと__。