死りとりゲーム
えっ、うそでしょ⁉︎
私は思わず、窓際の響子を振り返った。
明香も驚いて振り返っているし、響子は「えっ⁉︎」と声を上げた。
隣の席の新田くんとは、偶然にも目が合って__。
その吸い込まれそうな瞳が、どういうことだ?と問いかけていたけど、私に答えられるはずがない。
それとも、スマホでしりとりの言葉を打ち込む?
それならできなくもないか。
ただ、学校にある物だけに限られるけど。
どんな流れでゲームが始まるのか、私は隠れて手元のスマホを見つめていた。
画面は変わらない。
【それでは、しりとりゲームを始めましょう!】
ずっとこの画面から動かない。
これで一体、なにが始まるの?
ふと視線を上げそうになったとき、画面に浮かんできたのは【りんご】だった。
真っ赤なりんごが、画面中央に浮かび上がってきたんだ。
そして少しずつ小さくなっていく。
なにもなくなった白い画面。
次に現れたのは【ゴリラ】だ。
リアルなゴリラが画面いっぱいに広がり、また消えていく。
「__ラッパ?」
なんだか、そんな気がした。
すると、その言葉とおり、今度はラッパが。今にも音が聞こえてきそうで。
これは【しりとり】なんだと思った。
もう、しりとりは始まっているんだと。
そう思った瞬間、私の意識は弾け飛んだ。