死りとりゲーム
命をかけた、死りとりゲームが始まった。
私たち5人は、他に誰も居ない教室で静かにお互いを見やる。
思いは一つ。
ゲームをクリアして、ポイントを貯める。
そして、この死りとりゲームを退会するんだ。
響子が、長めに息を吐いた。
もし、響子が失敗でもすれば、その時点でゲームは終わってしまう。
しりとりは、バトンでもあるんだ。
次の人に回して、5人連続で成功しなくちゃ__。
『それでは始めましょう!』
スピーカーから聞こえてくる声に、私たちは息を飲み込む。
最初の文字はなんだ?
『死りとりゲーム、最初の文字は【ぐ】です!それでは、よーいスタート!』
放送が途切れた瞬間、響子が教室を飛び出していく。
もう思いついたの?
【ぐ】のつくものなんて、私は『グミ』くらいしか浮かばない。
響子の後を追いかけながら、私は頭を回転させる。
この時間を無駄にしちゃだめだ。
響子がなにを答えるのか予測して、自分が何を探せばいいのかを考えないと__。
校舎を飛び出して響子が向かったのは、朝に見て回った部室。
そこが野球部の部室だと気づいたとき、ようやく私は答えが分かった。
「グローブ!」
『クリアです』