死りとりゲーム
あと2回、あと2回。
心の中で繰り返し、まだ誰も登校していない校内を見て回る。
今日も授業はない。
明香のお葬式に参列するからだ。
私と響子は、居ても立っても居られず、しりとりの予習をするのに学校内を探索していた。
いろんな物が置いてある部屋がいい。
そう考えると【ゲーム部】は狙い目だ。
響子はまだ隣の部屋を見ている。だから私は1人でゲーム部のドアを__。
がちゃ。
中から出てきたのは、賢太?だった。
一瞬、分からなかったのは、顔が無残に腫れ上がっていたからだ。間違いなく、悠馬にやられたんだろう。
私の顔を見ると、慌てたように走っていく。
賢太も物を確認していたんだ。
「なんかいいのあった?」
やってきた響子と一緒に、ゲーム部の中を調べ始めた。
今ここで見つけても、本番になると焦ってしまう。
でも、あと2回ならなんとかなるんじゃないか?
そうすれば、解放される。
死り神に怯えることもない。
「そろそろ時間じゃない?」
私が尋ねると、響子は無言で頷いた。
これから、明香を見送らなくちゃ。
大切な、私たちの友達だったんだから。