死りとりゲーム
あれ、ここって__?
目を覚ますと、そこはよく知っている場所だった。
ついさっきまで、私が社会科の授業を受けていた教室だ。
席だって同じ。
ほら、すぐそばに新田くんがいる。
ただ、新田くんは机に突っ伏しているけど。棚橋くんとは違い、授業中に寝るなんてことないのに、具合でも悪いのだろうか?
「__新田くん?」
試しに声を掛けてみた。
「うん、あっ、田辺?」
体を起こし、私の顔をじっと見る。
「なんだ?誰もいねーじゃん!」
そう言って立ち上がったのは、棚橋くん。
響子も明香も目を覚ましたようで、それぞれがちゃんと自分の席についていた。
でも__他には誰もいない。
先生もクラスメイトも、1人残らずいなくなっていた。
「みんなどこ行ったの?」
行動的な明香は、すぐに隣のクラスを見に行き「誰もいない」と報告する。
学校は静まり返っていた。
「これって、しりとりゲームが始まったからじゃ?」
新田くんの言葉に、私たちも頷く。
そのとき、チャイムが鳴った。
『それでは、しりとりゲームを始めます!』