俺様課長のお気に入り
それから2人は、少しずつお互いのことを話していた。
年齢もちかかったおかげで話がはずみ、すっかり意気投合したようで、途中からは名前で呼び合うまでになっていた。


「あっ、真美さんから電話だ。もしもし」

「陽菜ちゃん無事?翔が行ってるよね?翔、暴れてない?
岩崎さんのことを話そうとしたら、翔ったら、詳しく聞く前に家を飛び出していっちゃって」

「うん、来てるよ。すごい剣幕で来たけど、今は落ち着いてるよ」

「ごめんね。翔の反応がここまでとは思わなくて……」

「ううん。大丈夫だったから。要君のこと、ちゃんと認めてくれたし。
真美さんにも、今度紹介するね」

「楽しみにしてるわ。翔に早く帰るように伝えてね」

「はあい」



「翔君、真美さんが心配してるよ」

「あっ……急に出てきたから。じゃあ、俺はそろそろ帰るよ。今日は急にごめんな」

「ううん。翔君に要君を紹介できてよかったよ」

「要、今度はうちにも来いよ。妻の真美を紹介する」

「ちかいうちにお邪魔することになるから。実家の方にだけど」

ん?
どういうことだ?

「ははは。そうか。ちょっとさみしい気もするけど……うん。まあ、要なら納得だ」

「ありがとう」

なんか、男同士で意味深な会話をしてるんだけど……

「陽菜、またな」

「うん。真美さんにもよろしく伝えてね」


翔君は嵐のようにやってきて、爽やかに去っていった。



< 106 / 137 >

この作品をシェア

pagetop