俺様課長のお気に入り
「さて、陽菜。翔のせいで、だいぶフライングになった気がするけど……ちょっとこっちに来て」

要君に促されて、再びリビングにもどった。

「陽菜。お前にもう一つ、首輪代わりをつけておく。左手を出して」

不思議に思いながら左手を差し出すと、そっと薬指に指輪をはめられた。



「か、要君、これって……」

「ああ。陽菜、結婚しよう」

「本当に?」

「ああ」

「私でいいの?」

「今さら何を。陽菜がいい」

目に涙が滲んでくる。

「要君……大好き。一生、よろしくお願いします」

感極まって要君に抱きつくと、力強く抱きしめ返してくれた。

「もちろん、一生守ってやる」

私たちの周りを、祝福するかのようにケイ君がぐるぐる回っていた。







「ところで要君。いつのまに指輪を用意してたの?」

「ん?だいぶ前だな」

「だ、だいぶ?」

「ああ。絶対に陽菜と結婚するって思ってたからな」

「要君!!」

嬉しさから、再び要君に抱きついた。

「本当はクリスマスに渡すつもりだったけど、俺が待ちきれなくなるかもと思って、いつでも渡せるようにしてた。翔のせいってのもあるけど、予定より早く、陽菜を手に入れられる」





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