俺様課長のお気に入り
あともう一押しして……と思っていた頃、新しい支社の立ち上げや、古巣からのヘルプが重なって、目の回るような忙しさになってしまった。
陽菜にはいい子で待っているように言い、しばらく会えない日々が続いた。

同じ頃、時期外れで、以前一緒に働いたことがある星野が移動してきたことで、思わぬ事態となってしまった。

星野は、俺の補佐になった。
仕事はできる人だと知っていたから、最初は良好な関係を築こうと、多少友好的な態度で接した。
でも、これがいけなかった……

どうやら星野は俺に好意を寄せていたようだ。
だんだん、必要以上にまとわりつくのが気がかりになっていた。
いつのまにか、付き合っているなんて噂が広がっていたのを知ったのは、陽菜の耳に入ったのと同じ頃だった。
案の定、星野からは告白されたが、もちろん断った。
しかし、裏で彼女は噂を否定しないどころか、肯定するような思わせぶりな態度をとっていたようだ。

そのせいもあって、俺は陽菜を泣かせてしまった。


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