俺様課長のお気に入り
とある週末。
仕上がった作品達を全て並べて、眺めていた。

「赤ちゃんのでしょ。私のでしょ。おまけでケイ君のでしょ。あっ、翔君と真美さんの赤ちゃんにも作ってあげようかなあ……」

作品を前に、あれやこれや妄想しながらニンマリしていた。



あれ?
いつもなら纏わり付いてる要君がいないぞ。

そう気付いたのは、にやけ出してからどれぐらい経った頃だろう。

あれ?
ケイ君もいないぞ……?

リビングを覗いてもいない。
それなら寝室かな?
もしかして、寝てるのかもしれない。
そう思って、寝室にそっと近づくと、うっすら扉が開いていた。
中を覗いてみると……



「なあ、ケイ。陽菜は俺の存在を忘れてるんだろうか……」

ケイ君をよしよししながら、要君がさみしそうにつぶやいていた。
ど、どういうことだろう……?

「まあ、ケイはいいよ、ケイは。おまけだろうがなんだろうが、数に入れてもらってたしな」

は?
な、なんか聞いてはいけなかったかも……

神様、俺様、要様はどこに行った!?

も、もしかして、要君、拗ねてる……?
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