俺様課長のお気に入り
最低なはずの週末
そして土曜日。
休日なんて関係ないケイ君に、いつも通りの時間に起こされた。

「おはよう、ケイ君。今日は翔君と真美さんが来るんだって。楽しみだね」

「ワンワン」

嬉しそうにしっぽを振るケイ君。
本当、私の話すことはちゃんと理解しているみたい。
賢いなあ。

食事をすませ、溜まっていた洗濯物を片付けたり、掃除をしたりしていると、すっかりお昼になっていた。
翔君達は食事をすませてから来るって言ってたから、お昼は適当でもいいかな。
料理は嫌いじゃないけど、ちょっと面倒になって、ランチは簡単なパスタにした。

「うん、上出来」

自画自賛しながら、パスタを食べる。
たまにはね、自分も褒めてあげないと。



食器を片付けて、翔君達を待つ間、ケイ君にブラッシングをしていた。

「ケイ君、今日のお散歩は夕方からでもいいかな?」

「ワン」

〝散歩〟っていう単語に反応したのか、ケイ君が応えた。
ケイ君は穏やかで優しい性格だから、散歩が後になったぐらいで暴れたりしない。
本当に、うちに来た子がこの子でよかったなあ。
なんて思っていたら、玄関のチャイムがなった。

「あっ、翔君達が来たみたい!」

「ワン!!」

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