俺様課長のお気に入り
「お待たせ」

ケーキを取り分けて、席に着いた。

「いただきます」

「どうぞ、陽菜ちゃん」

「んーおいしい!!」

「でしょ?ここのケーキ、雑誌でも紹介されたことがあって有名なのよ!」

「そうなんだ。さすが真美さん、詳しいね」

「事務所のお客さんが教えてくれたのよ」



ケーキを堪能してまったりしていると、翔君が話しだした。

「陽菜、ちょっといいか?」

「なあに?翔君」

「実はな、真美が妊娠したことがわかったんだ」

「本当!?わあ。おめでとう!!2人ともよかったね」

「ありがとう、陽菜ちゃん」

「それでな、週に数回、ケイの面倒を見に真美が来てたんだけど、ケイの散歩中に何かあってもいけないから、ちょっとなしにしようかと思ってるんだけど」

「そんなの、当たり前だよ。真美さんにもしものことがあったらいけないし。私の方は大丈夫だよ。ケイ君賢いから、お留守番もちゃんとできるし。困ったら駅前のペットホテルとかシッターさんの派遣もあるから、それを利用すればいいし」

「そうか。そう言ってくれると助かるよ。ケイは俺達からプレゼントしたのに、それで陽菜を困らせたらいけないと思って」

「困るなんて大げさだよ。それに、ケイ君は私の大事な家族なんだから、ちゃんと責任を持ってお世話をするよ」

「もし、本当に困ることがあったら、ケイ以外のことでもなんでも言うんだぞ」

「うん。わかった」

「ケイ、しばらく真美は来られなくなるけど、ごめんな。陽菜のこと、しっかり守るんだぞ」

「ワン!!」

ん?私を守る?……ここにも私のことをちびっ子扱いする人がいたぞ……




「じゃあ、そろそろ帰るな」

「うん、ケーキごちそうさま」

「どういたしまして。陽菜ちゃん、来れなくなっちゃってごめんね。今度はケイ君と一緒に、うちにも来てね」

「はい!!」

「陽菜、戸締りをちゃんとするんだぞ。じゃあ、何かあったら連絡しろよ」

「はいはい。翔君、真美さん、またね。気を付けて帰ってね」


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