俺様課長のお気に入り
「そうか、そうか。ケイも嬉しいか。俺もケイに会えるのは嬉しいぞ」

そう言って、要君はケイ君の頭をわしゃわしゃ撫でた。
ケイ君も、尻尾をぶんぶんと振っちゃって……

「私の意見は、全く関係ないんだから……」

「何を言っている。陽菜の意見を入れても、2対1で俺とケイの意見が通るの」


だめだ。
やっぱり、この人には何を言っても通じなさそうだわ……





「お待たせしました」

がっくりしてたところに、注文したものが届いた。

「おっうまそうだな」

「本当だ。おいしそう」

「ほら、陽菜。交換だ」

「はあい」



「ケイ、おいしいか?」

夢中になって食べていたケイ君は、尻尾を振って応えた。

「陽菜の選んだクラブハウスサンドも、なかなかいける!」

「要君のミックスサンドもあたりだね」

「交換してよかっただろ?」

「なんか悔しいけど、そうですね」

「ははは。素直な陽菜は、ケイと同じでかわいいな」

「か、かわいい……」

「ああ。素直な陽菜は……懐いた子猫みたいでかわいいぞ」

なっ、何を急に……
思わず赤面してしまう。

「あはは。むくれてギャンギャン言ってる陽菜もかわいいけどな。毛を逆立てた子猫みたいで」

ん?

「完全におもしろがってますよね?」

「あはは」



ちょいちょい嫌味やらからかいやらを受けたものの、サンドウィッチもコーヒーもおいしくて、とりあえず満足した。
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