俺様課長のお気に入り
戸惑う週末
「ケイ君、ただいま!」

「ワンワン!」

「今日も疲れたあ。ケイ君、癒してー」

今夜もまた、ケイ君の首に抱きつく。
これはもはや、帰宅時の恒例行事になったな。

「さてケイ君、スーパーまでお散歩しよっか」

真美さんとの散歩にがなくなったのなら、定時で上がれた時ぐらい、少しでも外に連れ出そうと決めた。

「ケイ君、平日はたくさん遊んであげられなくてごめんね」

ケイ君が尻尾を振って応える。

「要君がね、また今度、違う場所に連れていってくれるんだって。ケイ君は楽しみ?」

さっきより、尻尾の振りが大きくなったぞ。

「そっかあ。ケイ君が楽しみなら、私も楽しみだよ。
さあケイ君、着いたよ。ちょっとだけ待っててね」


最近は、スーパーの入り口付近に犬のリードを繋いでおく、専用の場所があって助かる。
ケイ君をそこにつないで、ささっと買い物をした。



「おまたせ、ケイ君。少しだけ遠回りして帰ろうか」


いくら定時で上がれたとしても、こうして散歩をしていればそれなりに遅くなってしまう。
だから、今日はちょっとサボってお弁当を買ってしまった。

うーん……週末に作り置きするしかないかなあ。



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