俺様課長のお気に入り
それから水曜日、木曜日と、要君がいないからちびっ子いじりをされることもなく、平穏な日々が続いた。



そして、金曜日がやってきた。
要君は今日帰ってくる。
なんとなくそわそわしているのは、たぶん気のせいだ。


ランチを終えて、自席でコーヒーを飲みながらくつろいでいると、スマホがなった。

誰だろう……?

ん?要君からだ。


「は、はい。もしもし」

「陽菜。今大丈夫か?」

「はい。大丈夫ですよ。どうかしましたか?」

「陽菜さあ、ゴールドとシルバーだったら、どっちが好き?」

「なんですか?急に」

「いいから、どっちだ?」

「うーん。強いて言えば、シルバーですかね」

「了解。じゃあ、また日曜日にな。いい子でいろよ」

用件だけ話すと、一方的にブチっと切れた。

なんだったんだ……



< 49 / 137 >

この作品をシェア

pagetop