俺様課長のお気に入り
いけない。
見とれてる場合じゃなかった。

「すみません。
ケイ君、だめじゃない!」

「ああ、いいよ。俺、犬は好きだから。
それより、このゴールデンって、あんたの飼い犬?」

「はい。そうですけど」

「サイズ、間違ってるだろ」

「はっ?」

ん?どういうことだ?

「だから、飼う犬のサイズ、間違ってるだろ。あんた、立ち上がったこいつより背が小せえんじゃないの?ついでに、体重も負けてそうだ」

「なっ……」

あまりの言いように、一瞬にして頭に血が上った。

「ちょっと、失礼すぎです」

「見たまま、思ったままを言ったまでだ」

そうしれっと言って、男性はケイ君の頭や首周りを撫で回した。

「お前、サイズや重さだけじゃなくて、頭の回転も飼い主より速そうだな」

そう言って笑い出した。

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