俺様課長のお気に入り
あまりのことに言葉を返せずにいると、

「こいつ、何歳?名前はケイでいいの?」

と尋ねてきた。

「2歳の男の子で、ケイって言います。それより…「へー。じゃあ、人間でいうと19歳ぐらいか。あんた、歳でも負けてるのな」

「なっ、ちょっと、なんなんですか?失礼です」

顔を真っ赤にしながら、やっと言い返した。

「こう見えても、24歳のれっきとした大人です!!」

「はっ?てっきり高校生ぐらいかと思ったわ」

この綺麗な顔をした男、ずけずけと人の気にしていることを言ってくる。

「ケイ、お前は賢そうだから、飼い主の面倒をちゃんと見てやるんだぞ」

「ワン!!」

ケ、ケイ君、今の「ワン」って何よ……

「あはは。本当に賢いやつだな。
おい、ちび子!」

ん?

「ちび子、あんたのことだよ」

「なっ……ちび子じゃありません!私には滝本陽菜っていう名前があります!!」

「あん?ちび子どころかヒナか。くくく……」

「今鳥のヒナを思い浮かべましたよね?」

なんとなく、この男の思考がつかめた気がするぞ。

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