俺様課長のお気に入り
それから少し走った所に、目的のカフェがあった。
ログハウスの素敵なお店だ。

「わあ、かわいい!」

「中でもいいけど、今日は天気もいいし暖かいから、外の席にするか?」

「そうだね」

お店の周りには、花やハーブがたくさん植えられていて、見ているだけで楽しくなる。

「いいお店だね」

「そうだな」



「いらっしゃいませ」

店員さんが、お水とメニューを持ってきた。

「この店に、ゴールデンがいるって聞いたんですけど?」

要君が聞くと、店員さんは嬉しそうな顔を見せて答えてくれた。

「ああ、いますよ。ちょっと待ってくださいね。今連れてきますね」

少しして連れてこられた犬は、3歳の女の子だった。

「メルっていうんですよ」

「わあ。メルちゃんこんにちは」

顎を撫でてやると、嬉しそうに尻尾を振った。
ケイ君も興味津々で、においを嗅いでいる。
どうやら仲良くなれそうな雰囲気だ。

「あらあらすっかりいい感じね。
この子の名前はなんていうんですか?」

「ケイっていいます。2歳の男の子なんですよ」

「賢そうな子ですね」

ケイ君のことを褒められれば悪い気はしない。
というか、いい気しかしない。

「メルちゃんも、おりこうさんですね」

「ありがとうござます。よろしかったら、メルも外につないでおいていいですか?この子達、とってもいい雰囲気なんで」

「あっ、はい。大丈夫ですよ」


それじゃあと、店員さんはメルちゃんを席の近くにつないだ。

「お決まりになりましたら、お声がけくださいね」

「はい」

お年頃の2匹は、すっかりいい感じでじゃれ合っている。

「なんか、お友達っていうより、恋人を見つけたって感じだね。ケイ君も、いつかはお見合いをって思ってたけど」

「本当だ。ほら、陽菜もケイらを見習って横に来い」

腕を引かれて、要君の横に座らされた。
み、見習ってって……

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