俺様課長のお気に入り
「よくわかったな」

まだ笑ってるし……

「違いますから!太陽の陽に、菜の花の菜で陽菜ですから!」

「それじゃあ陽菜。もうすぐ夕方のチャイムがなる頃だから、気をつけて帰れよ。
ケイ、またな」

それって、小学生に向けたチャイムですよね?

最後まで私をからかって、ケイ君をもう一撫ですると、その人は店を出て行った。




「まったくもう、なんて失礼な人なの!
ケイ君もだよぉ。ちょっとだけあの失礼男寄りだったでしょ?」

じとーっとケイ君を睨むと、「何のこと?」とでも言うかのような目を向けられた。


くそーあの失礼男、許せん!!

せっかく新しいお店を開拓できたって、いい気分だったのに!!


でも、このお店に罪はない。
本当、いいお店だなあ。
ケイ君と来られるし、もちろんわんちゃん用のメニューもあるし。
レモネードもおいしい!!
まあ、あの失礼男がいるかもっていうのは気に食わないけど……

「ケイ君、このお店気に入った?」

「ワン」

「よし、また来ようね」

「ワン」

不愉快なことはあったものの、ケイ君も私もたくさん体を動かして、すっきりした気持ちで帰宅した。






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