俺様課長のお気に入り
その途中、坂田君に会った。
「よっ、陽菜。おつかいか?」
「営業課に新しくいらした星野さんに、書類を届けに来てたの」
「ああ。あの人すごい美人だよな。男がみんなそわそわしてるわ」
「そ、そうだね」
「岩崎さんも、仲よさそうに話してるのを見た」
そう言うと、坂田君は私の目をぐっと覗き込んできた。
「陽菜、大丈夫か?最近、岩崎さんと仲良くしてただろう?って言ってもまあ、陽菜はケイ君ってやつと付き合ってるんだから、関係ないのか」
「えっ?付き合ってる?」
「だってそうだろう?帰りを待ってるって。一緒に住んでるんだろう?」
「はっ?何か勘違いしてない?」
「何が?」
「だって、ケイ君は私の飼ってるゴールデンレトリーバーだよ。犬だよ、犬」
「……えっ?」
「なんでそんな勘違いをしてるんだか」
「だ、だって、陽菜の話ぶりがいかにも彼氏って感じだったし、他のやつも彼氏だって噂してたぞ」
「なにそれ……私、彼氏なんていないよ。そりゃあ、ケイ君は愛しい存在だけど。彼氏っていうより、家族だよ」
「そうなのか!?本当に彼氏じゃないんだな?」
「ちょっと。坂田君、声が大きい」
「そんなことはいい。陽菜は今、付き合っているやつがいないんだな?」
「だから、大きな声で言わないでよ。付き合ってる人なんていないわよ」
「じゃ、じゃあ、食事の誘いを断っていたのは、犬のケイ君のためなんだな?」
「そうだって」
「じゃあ、岩崎さんと出かけたっていうのは?」
「そ、それは……」
なんて答えたらいいんだろう。
「それは?」
「ええっとね、岩崎さんは動物好きなんだって。で、前に休日にケイ君と散歩をしてた時に、偶然出会ってね。ケイ君がすごい懐いちゃったの。そのつながりで、遠くの公園まで車で連れて行ってくれたりしてたの」
「そうだったのか……」
「よっ、陽菜。おつかいか?」
「営業課に新しくいらした星野さんに、書類を届けに来てたの」
「ああ。あの人すごい美人だよな。男がみんなそわそわしてるわ」
「そ、そうだね」
「岩崎さんも、仲よさそうに話してるのを見た」
そう言うと、坂田君は私の目をぐっと覗き込んできた。
「陽菜、大丈夫か?最近、岩崎さんと仲良くしてただろう?って言ってもまあ、陽菜はケイ君ってやつと付き合ってるんだから、関係ないのか」
「えっ?付き合ってる?」
「だってそうだろう?帰りを待ってるって。一緒に住んでるんだろう?」
「はっ?何か勘違いしてない?」
「何が?」
「だって、ケイ君は私の飼ってるゴールデンレトリーバーだよ。犬だよ、犬」
「……えっ?」
「なんでそんな勘違いをしてるんだか」
「だ、だって、陽菜の話ぶりがいかにも彼氏って感じだったし、他のやつも彼氏だって噂してたぞ」
「なにそれ……私、彼氏なんていないよ。そりゃあ、ケイ君は愛しい存在だけど。彼氏っていうより、家族だよ」
「そうなのか!?本当に彼氏じゃないんだな?」
「ちょっと。坂田君、声が大きい」
「そんなことはいい。陽菜は今、付き合っているやつがいないんだな?」
「だから、大きな声で言わないでよ。付き合ってる人なんていないわよ」
「じゃ、じゃあ、食事の誘いを断っていたのは、犬のケイ君のためなんだな?」
「そうだって」
「じゃあ、岩崎さんと出かけたっていうのは?」
「そ、それは……」
なんて答えたらいいんだろう。
「それは?」
「ええっとね、岩崎さんは動物好きなんだって。で、前に休日にケイ君と散歩をしてた時に、偶然出会ってね。ケイ君がすごい懐いちゃったの。そのつながりで、遠くの公園まで車で連れて行ってくれたりしてたの」
「そうだったのか……」