俺様課長のお気に入り
それからというもの、社内で要君と星野さんが一緒にいるのをよく見かけるようになった。
夏美先輩情報によると、星野さんは29歳で、最近まで横浜支店にいたそうだ。
見た目通り、仕事のできる人らしい。
どうやら常務の血縁者で、今回の移動は通常のものではなく、本人の希望を聞いて常務が動いたとのこと。
まあ、いずれ本社勤務になる予定の人で、その予定を少し早めたってのが実情のようだ。
「ここだけの話……」
と言って、夏美先輩がもう少し聞かせてくれた。
夏美先輩の同期で、横浜支店に勤めている人によると、星野さんは以前要君と一緒に働いていた時期もあるらしい。
今回、うちの営業が人手不足で嘆いていたことから、星野さんが移動したそうだ。
私がしつこく聞くのに折れた夏美先輩は、さらに話してくれた。
「陽菜ちゃん。これはあくまで同期曰くだけどね、星野さんは前から岩崎さんのことが好きで、それもあって今回無理言って移動してきたみたいなの。時期はともかく、表向きは通常の移動ってなってるんだけどね。やっぱり、役員の血縁者は無理が効くのね」
えっ……
言葉に詰まる私を見て、夏美先輩は慌てたように付け加えた。
「陽菜ちゃん、負けちゃだめよ。今話したことだって、どこまで本当かなんてわからないし。それに、陽菜ちゃんは岩崎さんのお気に入りなんだし」
「先輩……でも私、別に岩崎さんと付き合っているわけでもないし……」
「陽菜ちゃん……」
さらに私を落ち込ませたのは、星野さんが要君の補佐に着くと決まったこと。
時には出張に同行することもあるらしい……
おまけに、先日要君が言っていたように、要君の仕事は本当に忙しくなったようで、週末に約束することもままならず、たまたま社内で出くわした時にからかわれたり、たまにメールが届いたりするぐらいしか接点がなくなっていった。
夏美先輩情報によると、星野さんは29歳で、最近まで横浜支店にいたそうだ。
見た目通り、仕事のできる人らしい。
どうやら常務の血縁者で、今回の移動は通常のものではなく、本人の希望を聞いて常務が動いたとのこと。
まあ、いずれ本社勤務になる予定の人で、その予定を少し早めたってのが実情のようだ。
「ここだけの話……」
と言って、夏美先輩がもう少し聞かせてくれた。
夏美先輩の同期で、横浜支店に勤めている人によると、星野さんは以前要君と一緒に働いていた時期もあるらしい。
今回、うちの営業が人手不足で嘆いていたことから、星野さんが移動したそうだ。
私がしつこく聞くのに折れた夏美先輩は、さらに話してくれた。
「陽菜ちゃん。これはあくまで同期曰くだけどね、星野さんは前から岩崎さんのことが好きで、それもあって今回無理言って移動してきたみたいなの。時期はともかく、表向きは通常の移動ってなってるんだけどね。やっぱり、役員の血縁者は無理が効くのね」
えっ……
言葉に詰まる私を見て、夏美先輩は慌てたように付け加えた。
「陽菜ちゃん、負けちゃだめよ。今話したことだって、どこまで本当かなんてわからないし。それに、陽菜ちゃんは岩崎さんのお気に入りなんだし」
「先輩……でも私、別に岩崎さんと付き合っているわけでもないし……」
「陽菜ちゃん……」
さらに私を落ち込ませたのは、星野さんが要君の補佐に着くと決まったこと。
時には出張に同行することもあるらしい……
おまけに、先日要君が言っていたように、要君の仕事は本当に忙しくなったようで、週末に約束することもままならず、たまたま社内で出くわした時にからかわれたり、たまにメールが届いたりするぐらいしか接点がなくなっていった。