Midnight Radio
それ以来、わたしはたまに彼と話すようになりました。
挨拶だったり、一言か二言を交わすくらいなので、誰もわたしの気持ちには気付かなかったと思います。
授業の用意をしていると、後ろから声を掛けられました。
振り向かなくても分かりますが、念のために確認です。
「おはよう、白沢さん」
「おはよう」
「偉いよね、いつも授業の用意しっかりしていて」
「そう、かな」
「うん、すごい。じゃあね」
何気ない会話のはずなのに、誰との会話よりも印象に残ります。
彼はきっとわたしをただのクラスメイトというふうに見ていると思います。
でも、わたしは彼を中心に一日が廻ってしまうのです。
甘い毒のような、そんな感じです。
恋の魔法には、驚かされます。