Midnight Radio
「サキ、今日は部活ないんだよね?」
「うん、帰ろうかなって」
その瞬間、まるで一瞬で周りの空気が明るくなったようです。
「ね!暇?」
「え、うん、宿題やるくらいだし。
どうしたの?」
急にヨッちゃんがそわそわして、少し顔を赤くして、それからわたしを恥ずかしそうに見ます。
「わたしさ、ちょっと付いてきてほしいところがあるんだよね。
ユイは部活だし……」
「いいよ、どこ行くの?」
「……今度さ、デートなんだ。
で、その日はイツキの誕生日でもあるんだよね。
わたし、イメチェンしたいっていうか……。
サキ、センス良いから付いてきてほしいの!」
必死に伝えようとするヨッちゃんがあまりに可愛らしく見えて、わたしはすぐに了承しました。
「ありがとう!」
「じゃあ行こうか」
電車の中で、わたしは今回の経緯を知ることが出来ました。