Midnight Radio
「え?え?」
「なんでそんなに驚いてんの。
似合うって言ったんだよ?」
「だって、わたし、こんな服、着たこと」
「それはサキが挑戦したことがないからでしょ。
わたしはこれ、すごくいいと思うよ」
「じゃあ、買おう、かな……」
2人でお互いの洋服のお金を払い、アイスクリームを食べ、施設を出ると、いつものように別れました。
初めての洋服にわたしは思ったより喜んでいました。
今度の休日にでも着て出かけてみようか。
やっぱりさすがだなあ、わたしの友達。
駅に向かっていると、ゲームセンターの方から喧嘩をするような声が聞こえました。
自分から首を突っ込むことはしませんが、どんなものかは気になります。
遠巻きに見ていると、わたしの通う高校の制服の人がいます。
目を凝らしてみると、和泉くんでした。
驚いて人が通ろうとしていることにも気付かず、見てしまいました。