Midnight Radio



……みんな同じ制服だ。



なんで?いじめ?遊び?



遊びでここまでやるなんてことは、絶対にない。



殴られそうになっているところを見たら、傍観者でいようなんてことは微塵も思えませんでした。



周りの女子生徒は腰を抜かしています。



きっと、彼だったから、ここまで動けたのでしょう。



「和泉くん!」



大声で叫ぶと、一瞬、動きが止まりました。



その間に走って彼のところへ行きました。



「なんで?なんで!
こんなことに、こんな所で!
なんで和泉くんが殴られているの!
いじめたの?お金盗ろうとしたの?」



「お前は黙ってろよ」



「ゲーセンの前で、なんで!
何やったの!
……答えて!」



「うるせえよ!」



避けようとしましたが、あまりに近すぎて、怖くて、何も出来なくて、何しに来たんだろうと呆然と思っていました。



突然、体がスローモーションで傾くような感覚に襲われ、殴られちゃったのかな、なんて思いましたが、その割には痛くありません。



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