Midnight Radio
そこまで一気に話すと、息を吸い込みました。
隣を見ると、僅かに手が震えていました。
瞳には、何も映していません。
ただ、どこかを見ていました。
先生は、今までの話を整理している様子です。
「この前」
「はい」
また、時間が動きました。
時計を見ると、秒針が動いただけの時間でした。
あの日、たまたま財布を忘れてしまい、仲間の1人にお金を借りようとしましたが、断られてしまったこと。
いつも奢っていたことを言ったら「友達にそんなこと言っていいのか」と言われたこと。
腹が立って腹部を殴ったこと。
殴り返され、取り囲まれてやり返されたこと。
そして、わたしが介入したこと。
「……以上です。
先に暴力をしたのは俺が悪かったです。
ごめんなさい」
「……事情は分かりました。
高山くんたちには先に聞いていましたが、双方の言い分は一致していました。
これからどうなるかは話し合います。
結果が出たら、また後日報告します。」