Midnight Radio
タイミングを読んだみたいで、少し申し訳なくなりました。
「これ、光に透かすとすっげえ綺麗なんだよ」
「そうなんだ、知らなかった」
「あの街灯で透かしてみよう。
本当は日光がいちばんいいんだけど、もう日が暮れたし」
そう言って、光に透かしました。
その腕が、思っていたよりも長くてそっちに気が取られそうになってしまいました。
こんなに贅沢なことって、他に見つけられないな。
「ほら」
「……すごい、綺麗。
いい色だね。
わたし初めて見たよ、こんなに綺麗な貝殻。
……なんか、優しいよね」
「白沢さんが喜んでくれて良かった」
急に興奮していた自分が恥ずかしくなります。
顔を背け、もそもそと話すくらいしか出来ません。
「これ、白沢さんに見せたのが最初。
意味、分かる?」
少し考えました。
一瞬ちらついたその考えが、すぐに消えてくれるかと思いましたが、なかなか消えてくれません。
むしろ、存在感が増しています。