Midnight Radio
違う可能性の方が大きいと思い込んでしまうと、その考えは口に出来ませんでした。
代わりに、黙って首を横に振りました。
顔なんて上げられません。
自意識の過剰さや、期待で恥ずかしくてきっと真っ赤です。
「……つまり、こういうこと。
こっち見て?」
思わず顔を上げると、街灯と月の光に照らされた彼。
「好きです、白沢さん」
思考が止まりました。
言葉が出ません。
返す言葉なんてとっくに決まっているのに、です。
「……押し付け、だったらごめん……」
あまりに黙っているのが長すぎたのでしょう。
やっと、一言出かかりました。
「……違うの。
……好き、ずっと好きだった」
今度は彼が目をこれでもかというくらいに開いています。
「だから、この言葉、すごく嬉しかった。
……隣に、いたい。
居させて……?」