Midnight Radio
お昼休みになると、わたしとヨッちゃんとユイは集まってお弁当を広げます。
2人は彼氏がいるので、わたしはその話に耳を傾けます。
ヨッちゃんには付き合って半年の彼、ユイには付き合って2ヶ月の彼がいます。
2人ともとても幸せそうで、大事にされているのが言葉の端々から伝わってきます。
わたしにも彼氏を作ることをよく2人は持ちかけてきますが、つい、適当に濁してしまいます。
理由はよく分かりません。
ただ、なんとなく。
手を繋いだとか、キスをしたとか、週末には映画を見に行ったとか、幸せそうな話を聞いているのは楽しいです。
「サキ、本当に好きな人いないの?」
「うーん、いまいちよく分からないし」
「とか言って本当はいるんじゃないのー?」
「そんなわけないでしょ。
わたしに彼氏なんて出来たらみんな彼氏いるよ」
「この秘密主義っ!」
軽く叩くふりをした時、タイミングよく授業開始のチャイムが鳴りました。