蜜愛婚~極上御曹司とのお見合い事情~
「祝、おひとりさま!」
同棲開始からずっと我慢してきたカップ酒で祝杯を上げる。なんて開放感。独り言が多いのは、決して寂しいからではない。
贅沢な眺望を独り占めしながらちびちびとカップ酒を飲む。酒豪ではないので、だいたい一杯で満足できてしまう安上がりな口だ。でも今日は奮発して三つも買ってしまった。
彼の前でカップ酒をあおりイカゲソをくわえてみせたら、きっとこの窮屈な同棲は終わるだろう。なのになぜ、三週間も過ぎているのに私はまだその切り札を出せずにいるのだろう?
でも、そもそも彼は私に興味がない。いくら中身からおっさん臭が漏れていたとしても、生物学上は女なのに、私ってそれほど魅力がないのだろうか? 小舟さんからは色気ムンムンって言われたのに。
「ほかに誰かいるのかな……」
蓮司さんの帰宅はいつも遅いし、食事も外で済ませてくることが多い。今日だって大阪出張とか言いながら誰かの部屋に行ってるのかもしれないし……。
「別に全然構わないけどね」
声に出して言ってみたけれど、あまりすっきりしない。
外に誰か女性がいるならそのほうが好都合のはずだった。彼の不実があれば、十分に破談の理由になるのだから。
そう考えようとしても胸の中がモヤモヤして、カップ酒をぐいっと飲む。自分があまりに男性と縁がなく経験値ゼロだから僻んでいるのだろうか? まあいずれにしても、切れ者の彼が尻尾を見せることはないだろうけど。
同棲開始からずっと我慢してきたカップ酒で祝杯を上げる。なんて開放感。独り言が多いのは、決して寂しいからではない。
贅沢な眺望を独り占めしながらちびちびとカップ酒を飲む。酒豪ではないので、だいたい一杯で満足できてしまう安上がりな口だ。でも今日は奮発して三つも買ってしまった。
彼の前でカップ酒をあおりイカゲソをくわえてみせたら、きっとこの窮屈な同棲は終わるだろう。なのになぜ、三週間も過ぎているのに私はまだその切り札を出せずにいるのだろう?
でも、そもそも彼は私に興味がない。いくら中身からおっさん臭が漏れていたとしても、生物学上は女なのに、私ってそれほど魅力がないのだろうか? 小舟さんからは色気ムンムンって言われたのに。
「ほかに誰かいるのかな……」
蓮司さんの帰宅はいつも遅いし、食事も外で済ませてくることが多い。今日だって大阪出張とか言いながら誰かの部屋に行ってるのかもしれないし……。
「別に全然構わないけどね」
声に出して言ってみたけれど、あまりすっきりしない。
外に誰か女性がいるならそのほうが好都合のはずだった。彼の不実があれば、十分に破談の理由になるのだから。
そう考えようとしても胸の中がモヤモヤして、カップ酒をぐいっと飲む。自分があまりに男性と縁がなく経験値ゼロだから僻んでいるのだろうか? まあいずれにしても、切れ者の彼が尻尾を見せることはないだろうけど。