蜜愛婚~極上御曹司とのお見合い事情~
メッセージを打つために私の防御が緩んだせいで、男はさらに身体を密着させてくる。
手が上着の中に入ってきた衝撃で私はスマートフォンを取り落としてしまった。メッセージを送信できたのかもわからない。
私が逃れようとすればするほど男の手は執拗になり、上着の裾を押さえ込むと次はスカートをまさぐられた。脚を撫で上げられ、嫌悪感のあまり吐き気がこみ上げる。
(蓮司さん……!)
彼に届くはずもないのに、心の中で彼を呼ぶ。
顔を背ければ、アップにした首筋の肌に生暖かい息が何度も吹きかけられる。電車が揺れた拍子なのか、男の鼻が肌に当たった。
嫌だ。嫌だ。気持ち悪い……!
声を上げようとしたけれど、喉からはなにも出てこない。
泣きそうになりながらスカートを引き上げる男の手に抵抗していたときだった。
後方から誰かが強引に割り込んできたかと思うと、私のスカートをまさぐっていた男の手が捻り上げられた。
「次の駅で降りろ」
抑えつけたような低い怒声が頭上で響く。
それは蓮司さんの声だった。
手が上着の中に入ってきた衝撃で私はスマートフォンを取り落としてしまった。メッセージを送信できたのかもわからない。
私が逃れようとすればするほど男の手は執拗になり、上着の裾を押さえ込むと次はスカートをまさぐられた。脚を撫で上げられ、嫌悪感のあまり吐き気がこみ上げる。
(蓮司さん……!)
彼に届くはずもないのに、心の中で彼を呼ぶ。
顔を背ければ、アップにした首筋の肌に生暖かい息が何度も吹きかけられる。電車が揺れた拍子なのか、男の鼻が肌に当たった。
嫌だ。嫌だ。気持ち悪い……!
声を上げようとしたけれど、喉からはなにも出てこない。
泣きそうになりながらスカートを引き上げる男の手に抵抗していたときだった。
後方から誰かが強引に割り込んできたかと思うと、私のスカートをまさぐっていた男の手が捻り上げられた。
「次の駅で降りろ」
抑えつけたような低い怒声が頭上で響く。
それは蓮司さんの声だった。